富の偏在と再分配 ー10時間唱題(42)

この記事は約6分で読めます。

今日また10時間唱題を完遂した。42回目となる。今回も真剣に広布誓願の唱題を行うことができた。

 

10時間唱題表。42回目。

 

 

この記事では、世界経済と格差問題について考察してみる。全世界の総資産額は6京円(けい・えん)あるそうだ。京という単位は兆の1万倍である。つまり60,000兆円ということだ。ちなみに、日本の総資産は、2024年末時点で1京2649兆円であり、33年連続で世界最大の純債権国である。その内訳は金融資産(9072兆円)と非金融資産(3577兆円)の合計となる。

 

 

SDGsのロゴと地球儀【イメージ写真】

 

 

体験で、我が家は「貧乏の横綱」でしたとの言葉を何回か目にしたが、貧乏の「前頭3枚目」くらいであろう拙宅からすると、正直、驚きしかない。ある所にはあるものだ。問題なのは、いま世界的に格差が拡大していることだ。世界の富の大部分が、上位の少数の人々に集中しているのだ。

 

世界不平等報告2022(World Inequality Report 2022)によると、2021年には、世界の富の76%を、最も豊かな10%の人が保有し、残りの50%の人は2%しか保有していないという。つまり、2021年の世界の人口が約79億2100万人であったので、トップ10%(=約8億人)が世界の総資産の大部分とも言える8割弱の富を独り占めする一方で、世界人口の半分の約40億人は全世界の富のたった2%を分け合っていることを示している。

 

また別の統計(オックスファムの報告書「An Economy for the 99%」)によると、世界の上位8人の富裕層の資産は、2017年の報告書によると、下位50%(世界の最貧層、約36億人)の資産総額と同程度であるとされた。具体的には、8人の富豪の資産総額は、4260億ドル(約48兆7千億円)に達し、下位50%の資産総額とほぼ同じだというのだ。さらに、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)の総資産は、時価総額で約7兆500億ドル(約770兆円)とされ、日本企業全体の時価総額総計を上回る水準に達している。

 

これらの巨大企業や富裕層は国境を越えて事業を展開し、世界経済をけん引して、世界に雇用や富を生む一方で、その影ではタックス・ヘイブンと呼ばれる国々に会社を設立し税金を回避しているという。後で述べる、各国政府の「所得再分配機能」により、本来、低所得層に再分配されるべき所得が行き渡ることなく、合法的にそれらの富裕層や巨大企業に蓄積され続けているのだ。

 

一方で、世界には、まだ1日2ドル未満で生活している人が多数存在する。例えば、2019年の時点で、約6億4,800万人が極度の貧困状態にあったと推定されている。1日2ドル未満というのは「絶対的貧困」とも呼ばれ、1カ月では数千円を大きく下回る収入しかないというのである。このため、飲料水や生活用水にも事欠き、食料不足や、住環境・衛生面の劣悪さにより健康を損ない、多くの人が若くして死亡しており、乳幼児の多くが生き延びられない。

 

痛ましいことであるが、飢えと貧困によって世界では毎日2万5千人が餓死しており、5歳未満の子供に限ると、1年間で480万人、一日に換算すると毎日約1万3千人が餓死しているというのだ。しかも、ニュース・バリュー(報道する営利上の価値)が無いという理由で、ほとんど報道されることがない。

 

しかし一方で、FAO(国際連合食糧農業機関)の報告書によると、世界では毎年、約13億トンもの食料が廃棄されており、これは世界の食料生産量の約3分の1に相当するという。日本でも1年間に約612万トン(2017年度推計値)もの食料が捨てられており、これは東京ドーム5杯分とほぼ同じ量。日本人1人当たり、お茶碗1杯分のごはんの量が毎日捨てられている計算になる。これは世界で飢餓に苦しむ人々に向けた食料支援量の約1.6倍に相当し、また、毎日大型トラック(10トン車)約1,680台分の食品が廃棄されていることになる。

 

そして、世界の軍事費が約390兆円(2024年)であるから、そのわずか数パーセント(約1~2%)で、世界の飢餓を撲滅できると言われている。具体的には、軍事費の0.1~2%を、飢餓対策に投資することで、飢餓をゼロにする目標を達成できるという研究結果もある。加えて、世界の軍事費の10%強を教育に充てれば、世界の学校に行けない2億5千万人の子供たちが教育を受けられるという。

 

この格差を是正する各国政府の機能として「所得再分配機能」がある所得の再分配とは、労働市場などで得た所得から、負担能力に応じて税金や社会保険料を徴収し、それを財源にして、生活困窮をはじめ病気などのリスクに直面した人に、必要度に応じて社会保障給付を行う仕組みである。 再分配によって、貧困や格差を是正することができる。以下の画像に、放送大学の衛星放送「財政と現代の経済社会」の模様を紹介する。左の画像の中に所得再分配機能が見える。

 

 

 

所得再分配とは? 意味や仕組み、日本における効果を解説 | THE OWNER
所得再分配は、国民の経済格差を埋めるための仕組みだ。どのように所得を再分配しているのか気になる方もいるだろう。この記事では、税金制度や社会保険制度による所得再分配の仕組みを解説する。

 

世界で起きる経済格差の問題点とは?格差が日々の生活にもたらす影響|国際NGOプラン・インターナショナル 寄付・募金で世界の子どもや女の子を支援
世界で起きる経済格差の問題点とは?格差が日々の生活にもたらす影響について掲載しています。世界が直面する課題やプラン・インターナショナルの活動を紹介します。

 

 

いまアメリカにおいても日本国内でも、いわゆる中間層が政治の恩恵をほとんど受けていないという議論が、取り上げられることが多い。給付金は政策としては不人気だとの、政治家の発言も耳にする。低所得層への給付などの施策が、将来世代へ付けを回すことになるので、今すぐ辞めるべきとの極端な意見も耳にする。本当にそれらが直接結びついているのか、給付の財源が本当に将来世代への借金となっているのかは精査する必要があると思う。

 

 

現今の選挙の行方を左右しているのは、中間層であり無党派層であると聞く。それらの支持を得ることは、選挙に勝つために、必要かつ重要な視点なのは分かる。現に不満を抱いている国民が多いのだから、しっかり手当てしていくべきだろう。その上で、特に公明党には与党の一員として、この物価高の中、一日一日生き抜くだけで精一杯の、悲鳴を上げている経済的弱者への手当てを、「不人気」のひと言で切り捨てないで欲しいと個人的に思う。

 

 

 

 

0Shares

コメント