組織を攪乱する者は必ず行き詰まる -役職について(4)

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草創期、支部婦人部長の人事に不満を持ち、組織をかく乱した先輩会員が出たことに対する、池田先生のご指導の抜粋を紹介します。全文は、『新・人間革命 第2巻』聖教ワイド文庫の、p181-6行目からp189-2行目までをお読みください。

 

――信心によって病を克服した体験を持つ婦人が、なぜ、周囲をも巻き込み、団結を破壊しようとするのか。名聞名利と慢心に蝕(むしば)まれていることは確かだが、どうして、それに気がつかないのか。その一念の狂いは、何ゆえ生じたのか。日蓮大聖人は「若し己心の外に法ありと思はば全く妙法にあらず」(御書383ページ)と仰せである。

 

(中略)
組織の中心者や幹部といっても、人間である限り、長所もあれば短所もある。未熟な面が目立つこともあろう。問題は、そこで自分がどうするかだ。批判して終わるのか、助け、補うのかである。中心者を、陰で黙々と守り支えてこそ、異体同心の信心といえる。そして、どこまでも御聖訓に照らして自己を見つめ、昨日の自分より今日の自分を、今日の自分より明日の自分を、一歩でも磨き高めようと、挑戦していくなかに、人間革命の道があるのだ。そこにのみ無量の功徳があり、福運を積みゆくことが出来るのだ。

 

この婦人は、これまで一生懸命に信心に励んでいたように見えても、結論するに、仏法の基本が確立されていなかったのである――。

 

(中略)
彼が最も心配していたのは、支部の婦人部長としてこれから戦わねばならぬ石山照代のことであった。石山にとって支部婦人部長の就任は、予想もしないことだった。彼女は任命を受けたものの、自分が果たしてその責任を全うできるのか不安をいだいていた。その矢先に「幹部としての経験も浅く、たいした信心もないのに、よく婦人部長になったものだ」という批判の声を耳にした。しかも、支部結成大会の準備を呼び掛けても、冷淡な反応を示す人が少なくなかった。彼女は完全に自信を失い、悩み抜いた末に、婦人部長の交代を、山本会長に申し出ようと思っていたのである。

 

 

伸一は、じっと石山に視線を注ぐと、強い語調で語った。「わかっている。全部、わかっています。誰があなたの悪口を言っているかも知っています。しかし、広宣流布の使命に生きようとする人が、そんなだらしないことで、どうするのですか。批判するものには、させておけばよい。私があなたを守っていきます!」

 

石山は、驚いたように、伸一の顔を見つめた。「ひとたび任命されたからには、あなたには、支部婦人部長として皆を幸福にしていく使命がある。決して偶然ではない。信心も、自身の人間革命も、広宣流布の使命を自覚し、戦いを起こすことから始まります。したがって、今はどんなに大変であっても、退くようなことがあっては絶対にならない。

 

仏法は勝負です。常に障魔との戦いです。魔の狙いは広宣流布の前進を妨げることにある。あらゆる手段を使って、巧妙に学会の団結を乱そうとします。魔は、戦おうという人の生命力を奪い、やる気をなくさせようとします。時には、今回のように、同志の嫉妬となって現れることもある。あるいは先輩幹部の心ない発言となって現れることもある。また、病魔となって、組織のリーダーを襲うこともある。

 

こちらの一念が定まらないで、逃げ腰になれば、魔はますます勢いづいてきます。それを打ち破るのは題目であり、微動だにしない強盛な信心の一念しかありません。あなたも、今こそ唱題で自分の境涯を大きく開き、本当の広布の戦いを開始する時です。そして、真剣な心で困難に挑み、温かく皆を包みながら、すべてを笑い飛ばして、明るく、はつらつと、悠々と突き進んでいくことです。

 

今、学会は大前進を開始した。飛行機でも、飛び立つ時には、揺れもするし、抵抗もある。千葉も、今、新しい出発を遂げようとしている。いろいろと問題があるのは当然です。しかし、あなたが支部の婦人部長として見事な戦いを成し遂げ、多くの人から信頼を勝ち取っていけば、つまらない批判なんか、すぐに消えてなくなります。飛行機も上昇し、安定飛行に入れば、ほとんど揺れなくなるようなものです。そして、あなたを排斥しようとしたり、仏意仏勅の組織を撹乱しようとした人は、必ず行き詰まっていきます。仏法の因果の理法は実に厳しい。深く後悔せざるをえない日がきます。

 

広宣流布のための苦労というのは、すべて自分の輝かしい財産になります。だから学会の組織のなかで、うんと苦労することです。辛いな、苦しいなと感じたら、”これで一つ宿業が転換できた” ”また一つ罪障が消滅できた” と、喜々として進んでいくんです。最も大変な組織を盤石にすることができれば、三世永遠にわたる大福運を積むことができる。来世は何不自由ない、女王のような境涯になるでしょう」

 

石山照代は、心に立ち込めていた霧が、瞬く間に晴れていく思いがした。彼女の頬に、いつの間にか赤みが差していた。この時、組織を撹乱した婦人は、先輩の指導によって、幹部として活動した時期もあったが、後に夫妻で退転、反逆し、自ら学会を去っていった。邪心の人は淘汰され、離反していかざるをえないところに、仏法の厳しさと、学会の正義と清らかさの証明がある。

 

 

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