十力降魔軍-指導集(13)

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戸田先生は、よく教えられた。「信心は、人間の、また人類の行き詰づまりとの戦いだよ。魔と仏との闘争が信心だ。それが仏法は勝負ということだ」と。前進していれば、当然、行き詰まる場合がある。その時は、いちだんと題目をあげ、行動することだ。そうすれば、また必ず大きく境涯が開けてくる。ふたたび前に進んでいける。この限りなき繰り返しが信心である。その自分との戦い、行き詰まりとの戦い、魔との闘争に、勝つか負けるか、それが〝勝負〟なのである。しのぎをけずるような厳しき自己との闘争を忘れれば、もはや堕落である。遊戯である。ぬるま湯にひたっているような安逸は、もはやそれ自体、敗北の姿なのである。

日蓮大聖人は仰せである。「夫【そ】れ仏法と申すは勝負をさきとし、王法と申すは賞罰を本とせり、故に仏をば世雄と号し王をば自在となづけたり」(御書1165㌻)――そもそも仏法というのは勝負を第一とし、王法(政治、社会)というの賞罰を根本とする。ゆえに仏を「世雄」と号し、王を「自在」と名づける――。(中略)仏とは、この勝負に〝勝った人〟のことである。「世雄」とは、人間の世(世間)にあって、最強の勇者ということである。

このほか仏典には、〝仏の別称(別名)として、次のような表現が使われている。「戦勝【せんしょう】」「勝導師【しょうどうし】」「勝陣【しょうじん】」「勝他【しょうた】」「勝他幢【しょうたどう】」(幢【どう】とは、はたほこ、王将である象徴)。また「健勝破陣【けんしょうはじん】」すなわち魔軍の陣を破り、勝つ健者、勇者。「十力降魔軍【じゅうりきごうまぐん】」すなわち十の力で魔軍を降【くだ】し全滅させる強者――これが、仏なのである。すなわち、魔との勝負に「勝つリーダー」(勝導師)こそ仏だというのである。勝ってこそ仏法、勝ってこそ信心なのである。

魔軍との戦いについて、大聖人は、こう描写されている。「第六天の魔王・十軍のいくさを・をこして・法華経の行者と生死海の海中にして同居穢土を・とられじ・うばはんと・あらそう、日蓮其の身にあひあたりて大兵を・をこして二十余年なり、日蓮一度もしりぞく心なし」(御書1224㌻)

(中略)
魔の十軍とは、煩悩の軍隊のことである。『大智度論』(大正新脩大蔵経25巻)では次の十種を挙げている。すなわち
 ①欲。五欲にとらわれて、修行を怠るようになる。
 ②憂愁。気がふさぎ、ものうくなってくる。
 ③飢渇【けかち】。うえとかわきにさいなまれる。
 ④渇愛。愛欲や執着によって堕落していく。異性への愛着や、酒などの快楽におぼれる姿も、これに関係していよう。
 ⑤睡眠。まったく眠るなということではなく、惰眠を続けるような真剣でない生活であり、態度といえよう。眠りをさくような向上への努力もせず、要領よく生きていく人生をも含むかもしれない。
 ⑥怖畏【ふい】。おそれに負けて臆病になる。
 ⑦疑悔【ぎげ】。修行者をそそのかして、疑いと悔いを起こさせる。
 ⑧瞋恚【しんに】。怒りの心によって、修行が妨げられる。
 ⑨利養虚称。名利と虚名にとらわれて、成仏への道を踏ふみはずす。
 ⑩自高蔑人【じこうべつにん】。自己を高くし、人を見くだす。

これは、これまでの反逆者に共通する傲慢な生命であった。また彼らは、要するに、この十の魔軍にみずから敗れ、捕らわれて、向こうの陣についてしまった者たちである。この魔軍を打ち破る武器は何か。それはただ一つ、信心の利剣以外にはない。ゆえに広布のリーダーは、第一に〝信心強き〟勇者でなければならない。そうでなければ、どんなに優秀なリーダーに見えたとしても、根本的次元における魔との〝生命の戦い〟に勝利することはできない。「信心」が強いかどうか、それが真の強者か否かの基準なのである。

(中略)
宇宙全体が〝勝負の世界〟なのである。創造の力と破壊の力。〝調和【コスモス】〟へのエネルギーと〝混乱【カオス】〟 への乱気流。〝結びつける〟慈愛の力と〝切り離す〟憎悪の力。生と死、光と闇、幸福と不幸、前進と後退、上昇と下降、開放と閉鎖、希望と絶望、〝生かす〟エネルギーと〝殺す〟衝動――。幸福になりゆく法則に従うか、反対に、黒い不幸の世界に化【か】していく天魔に従属してしまうかである。絶対に私どもは、永遠に幸福になりゆく法則に従い、崩れざる常楽の世界をつくりゆかねばならない。これが仏法者の使命である。

【ひと言感想】 魔の十軍といっても己心の弱点を突いてきます。ついつい、外界の人や事件を、信心を妨げる敵に思いがちですが、実は己心の中に戦うべき最強の敵がいます。その同じ我が生命に、十の強力な力で魔軍を降【くだ】す、「十力降魔軍」という仏の力も具わっているのです。何と心強いことでしょうか。いかなる魔性にも勝てる究極の力こそ創価の仏法なのです。魔との勝負に勝つ自己を目指し戦います。

 

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